書くことは娯楽

内省持ち。何時も何か考えてます。会話でなく対話が好き、何時も誰かと対話していたい。内省と対話の結果、自分の中で出来た何かを言語化して残します。プロサラリーマン、プロ営業。バイクとビール好き。

すべらない話がすべるようになった件について

人志松本のすべらない話」と言う番組が昔好きだった。知らない人の方が少ないと思うけど、芸人さんがこれぞ鉄板という面白い話を披露し合う番組で、そこからブレイクした芸人さんも多かった。その中でも、特に贔屓にしていたMさんという芸人がいて、番組内で披露した数々のネタ話の中でも、特に好きだった話があった。

先日、ふとツイッターを見ていたら、その話のことが書かれていて、「あの話で笑う人がいるなんて信じられない あれは性被害の話」というのを見て、自分の中でその話とMさんという芸人に対する意識がひっくり返った。確かにそうだと。言葉で表せないぐらい、深く深く、確かにそうだと再認識した。

もう笑えない。あれだけ笑っていたのに、笑えない。芸人のネタ話だから架空の話かもしれないけど、もう笑えない。

 

当時番組内でも、参加した芸人一同大爆笑だったし、このネタに関してこのツイッター以外にネガティブな意見を、少なくとも俺は聞いたことがない。放送当時のTV局内でも、問題があるという認識はなかったから流したんだろうし、DVDだって未だに売っている(はず)。友人とこのネタ話のことを何度も話したことがあるけど、友人たちも普通に爆笑できる話として認識していた。

このネタが出たのは2006年らしく、当時から見ていたので、俺も17年間このネタで笑っていた。その笑っていた俺が、その芸人やTV局を批判する権利なんて無いし、言おうとも思わない。万が一、何かの拍子にこのネタの件でこのMという芸人が非難されても、俺はかばうと思う。でも今、改めてこの話がTVで流れてきたら、思い切り不愉快になる。

あれだけ爆笑し、楽しいネタ話だったというのに、たった1つのツイートを見た瞬間急に笑えなく、不快になった。180度の手のひら返しは、自分でも俺は卑怯だと思えるぐらい。でもそれだけ一瞬で真逆のものになった。自分でも驚くぐらい見事に。

 

TVの芸人のネタに対する解釈、価値観の話であるのだけれど、それは今回たまたまであって、他にもこんな感じで解釈や価値観が劇的に変わることってあるのかもしれない。特に、変わらないと思っている価値観ほど、案外簡単に、コロッと変わってしまうような気がする。

良いように言えば、このツイートを見て、「でも面白いんだからいいわ」で済ますんじゃなく、一旦その違う価値観を受け付けて、今の自分の持つ価値観に照らし合わせてみて、考えを変える事ができたのは良かったと思う。

 

あれだけ笑えていたネタ話が自分の中で無くなった、好きだった芸人が、ちょっと自分の中で微妙な位置になった。なので、悲しいことなのかもしれないけど、多分スルーしているより、考えを変えた人生の方が、より誰かを傷つける機会が少ない人生なれたと思える。なのでよかった。