不満は解消させたい。でも現実問題、ものの見事に解消できる不満は少ないように思う。
山あり谷ありの人生経験を多少なりともして、大なり小なり、今迄生きてこれた大人である以上、何に対してもそれなりのこなし方で、物事を乗り切ってきている。その大の大人が不満と思うような事が、そうそう簡単に解決できなくて当たり前じゃないか。
大人の持つ不満を舐めたら駄目。殆どの不満はそう上手く解消できない。付き合わざるを得ない。全ての不満がそうだとは言わないけど、大抵の不満は、多少の時間を掛けたところで解消されない。どうやっても解決させねばならぬと思いあぐねる方が、よっぽど精神的に負担を感じる。
とは言え、不満に対して聞き訳が良くなったり、不満に蓋をしたりするつもりもない。気持ちは燻っているのに、忘れようとしたり無理矢理無かった事にはしない。そういうのは大抵どこかで爆発するし、そのタイミングもとんでもない時、最悪な時が多い。
不満に対し、自分に嘘を付かず、自分に作り笑いせず、不満がある自分を認めて、上手くとりなしていく。不満は共存していかざるを得ない存在。そういうものと思って接した方が、生きていく上で楽。
何時か起こる思わぬ幸運や、価値観の大逆転が、その不満を解消させてくれると信じて、気休め的に努力を続けておく事。
多分これが、大人の一番幸せな不満との付き合い方だと思う。