考え事や悩み事がある場合、頭の中でグルグル回転させながら考えこむより、とっとと書き出した方がいい。別にワードにタイプしてもいいけど、出来れば紙にボールペンや鉛筆で書いた方がいい。
書き出すと、頭の中で思っていた事と微妙に違う事を書いていたりすることがある。それは、頭の中を上手く言語化できていないという事と並んで、思っているよりあやふやな状態で考えている事の証拠のように思う。あやふやな状態で考え尽くしても、これだという結論が出ないのも当たり前。
なんとか言語化し、完全ではないものの、「これかな?」と思えるようなものを書き出す。そこで書き出したものと、頭の中で思っていた事とのズレを感じたら、それがゴールへのヒントだったりする。書いたものに対する違和感に、「それは何故?」と深堀していったら、多くの場合何らかの結末に辿り着く。
勿論、それで全て解決するというぐらい人生簡単でも無いけれど、今まで考えもしなかった、ちょっと違う対処法とか、そのまま悩んでいる対象や現象は変わらなくとも、自分の受け取り方が変わったりとかする。そして悩む程度は確実に下がる。
紙で書き進めていくと、最初の悩みからたまに脱線する時もある。気が付くと、全然違う事が浮かび書き綴ってる。悩みを頭の中から吐き出した結果、頭のスペースに出来る余白を埋めようとしているからかもしれない。
消さず、それはそのままグイグイ進めた方が良い。紙にボールペンで書く事は、一人で会議をしてるようなもので、他の参加者はいないんだし、自分の好きなように会議を紙の上で進めていい。司会も参加者も「複数の自分」だけなので構わない。頭の動きを止めない方が大事。考え事や悩み事から脱線しても全然関係無い。
全然関係無い、楽しい事を考えついたりする時もあれば、全く別の大きい問題や課題を掘り起こしてしまう時もある。でもそれは、紙に書かなければ生まれなかった発想でもあるので大歓迎するべきだし、脱線先にどんどんレールを引いて、内省超特急を爆走させた方が良い。そのうち当初考えていた事、悩んでいた事が吹き飛ぶようなインパクトのあるものが出てくるかもしれないし、そうなったら紙に書いたかいもあるというもの。
紙は物であり、有限だから区切りが決められている。悩みを書き出すにあたって、何となくその単位は、1ページだったり見開きだったりすることが多い。そこで結論を出そうと無意識に考えるのか、大抵のことは、その切りの良い1ページか、見開きの収まる範囲で、何らかの結末か結末らしきものが出てくる。
あんなに悩んでいた事が、たったの1ページや見開き一つで落ち着いているのを見ると、書いてよかったなと思う。ワードとかデジタルに書き出すと、その辺の「区切り」が曖昧になるから、物理的な制約のある紙とボールペン・鉛筆が、やっぱり最適だと思う。
書いた後はどうするか。後で見返すこともあるし、新しい考え方が生まれる時もあるけれど、一度書いただけでその価値は十分ある、元も取れてる。
紙に書いた結末は大抵頭に残るし、結末のその言葉自体は仮に消えてしまっても、考え方の回路は確実に出来ている。似たような考え事や悩みにぶち当たっても、確実に受ける影響の程度は低く、考えるスピードは上がり、結末もより発展的なものになる。
紙は物として残るし、その紙を目に入るところにおいておけば、あれだけ考えたという自分の自信にもなる。手を伸ばせば、確実に昔の自分に助けを求める事が出来るという、安心感にも繋がる。
紙に書く事は良いことづくめ。是非是非。