書くことは娯楽

内省持ち。何時も何か考えてます。会話でなく対話が好き、何時も誰かと対話していたい。内省と対話の結果、自分の中で出来た何かを言語化して残します。プロサラリーマン、プロ営業。バイクとビール好き。

深夜ドライブ

学生時代、今でいうリア充では無かったので、バイトの無い夜はとにかく暇だった。つるむ連中も似たような感じなので、誰かが声を掛ければ皆、集まる。ただ集まっても何をするでもなく、目的地も決めず、深夜だらだら誰かの車でドライブするだけ。金も無いので、500円ずつ出し合ってガソリンを入れ、夜中の下道をあてもなく流す。カーナビなんか無い時代だし、土地勘の全くない真っ暗な山の中で何度も迷った。夜通し走り続け、どこか適当な田舎町に辿り着き、吉野家みたいな店でなんか食べてそのまま帰る。朝の4時とか5時に戻ってきて解散。恐ろしい程の無駄な時間。効率がどうとか、十分な睡眠時間がどうとかいう今からは考えられないし、当時でもちゃんとしている連中は、こんな過ごし方をしていなかったと思う。

 

でも道中、だらだら走りながらの、だらだら話す時間が死ぬ程楽しかった。くだらない話しかしていないし、何を話したか具体的な内容だって思い出せないけど、ただただ楽しかった。5人の時も4人の時も3人の時もあったけど、全部同じように楽しかった。喫茶店や居酒屋みたいに、面と向き合って顔を合わさない、相手の目を見てじゃないからこその話が出来たし、場合によっては上手くスルーする事も出来た。あのドライブの、だらだら車内で話す時間が、今の自分のコミュニケーションスキルを上げてくれたし、全然勉強しなかった大学時代、あの時間だけが、何かを学んだと言えるのかもしれない。

 

たまーに、当時の仲間に会う事もあるけど、それはどこかの店で飲み食いしながら。19時に集まって、終電前には解散してる。随分お利口になった。馬鹿なままでも困るけど、お利口さん。あの時の事を皆で懐かしく話はするけど、誰一人同じことをまたやろうとは言わない。くだらないからじゃない。くだらないとは誰も思っていない。あのだらだら話す車内の時間と空間は、皆大切に想っている。ただ今同じ事をやったとして、同じあの時に戻れる訳が無いし、中途半端に今手を出して、あの時の想い出を汚すぐらいなら、もう触らずに置いときましょうというだけ。それが正しいと思う。ちょっと寂しいけど。

年甲斐もなく、未だに馬鹿なことはたくさんやっているけど、ちょっとあの深夜ドライブに匹敵する馬鹿であり、かけがえのないことはやって無いし、やれないとも思う。

 

大学時代、リア充でなくて良かった。

と、強がっておきます。