書くことは娯楽

内省持ち。何時も何か考えてます。会話でなく対話が好き、何時も誰かと対話していたい。内省と対話の結果、自分の中で出来た何かを言語化して残します。プロサラリーマン、プロ営業。バイクとビール好き。

先入観の怖さ

あるヘッジファンドのマネージャーが書いた、築き上げた資産を、どのタイミングでどう使うのがベストなのかを問う本を読んだ。今迄の価値観とは違い、目からうろこながらも、とても納得できる内容だった。著者なりの人生論も共感出来、今年読んだ本の中で、間違いなく自分の中ではBEST5に入る良い本だった。
 
夢中で読み進めた終盤、「保守的なテキサスに移住したけど、黒人の私にはそれもハードルの一つだった」という事が書かれていた。
 
読んだ瞬間、それまで著者の背景を意識したり、人種や年齢、性別も意識してなかったのに、「60代ぐらいの、恰幅のいい初老の白人の男性が書いているんじゃないのか」と、急に自分の中でイメージが出てきた。そしてそうじゃないと知って驚いた自分に、また驚いた。
自分の中ではこの内容ならこういう人が書くんだろうという「当たり前」として、そんな像を想定していた。根拠も無いのに、著者は黒人ではなかったし、女性でもなかった(これは著者名が明らかに男性名だから知っていた)。因みに著者は50歳でこれも違った。
 
差別や偏見に関して、自分はそんな見方はしない自信があった。平等に扱えるし、関係のない事と思ってたけど、それはかなり怪しいなと自覚させられた。心の中にこべり付いてる意識できないイメージは、先入観として予想以上に影響を与えているのと、無自覚で根拠なく人を差別する可能性と、過去もそうしてきたけど気が付いていないだけなのかもと思い知らされた。
 
本の内容は素晴らしいし、これからしばらくは本棚の目立つところに飾るつもりだけど、本棚で見るたびにこの事を思い知らされそうで、何とも言えない気まずさを感じると思う。