たまに「こういう時どうしたらいい?」って、営業に関しての相談を受ける。そういう時、答えるには答えるけど、正直言って正解だと自信を持って答えていない。テキトーに応えてもいないけど、自信をもってこうとも言い切っていない。
具体的に、事細かにその時の状況を説明してもらうし、言わなければこちらから聞くけど、そもそもその状況描写自体が正しいかどうかわからない。その人の主観がかなり入ってるかもしれないし、問題に対しての、その人の分析の精度がどの程度なのかもわからない。そもそも困ってるってことは、そういうのがズレてるからであって、ズレてなければ自力で上手くやってる筈。という訳で、質問してくる時点で、そのへん何かがおかしい可能性が高い。だから失礼を承知で言うと、聞いてくる人の説明は半分程度しか信じてないし、それを元に答えざるを得ないから、やっぱり正解だと自信を持って答えていない。
所詮対人交渉にかかわる事なので、その人の性格とか相手の性格とか、製品・サービス、企業と顧客の力関係、その時の社会情勢、業界の情勢、競合状況とか、多種多様な要素がめちゃめちゃ複雑に絡むから、正解なんてその時の場面に飛んで、その本人じゃないと見つけられない。こんな事言うと、身も蓋もないけどそう思う。
そしてついでに言うと、世にあるスーパー営業が出してる本とか、ああいうのに書いてあるのは、その人がたまたまそういうシチュエーションに恵まれて、運も味方してそうなっただけです。全部が全部そうだというのは流石に言い過ぎですけど、大いにそういう要素がある。
営業って仕事は、所詮そういうもんです。孤独なのです。
成功則なんて個人個人で見つけて自分に合うものを積み上げていくしかない。
だから本当に確信をもってアドバイスをするのなら、「あなたのセンスを信じて、その時に取れる受け答えと対応に対して、絶対に手を抜かないでください」ぐらいしか言えない。
でも、だからこそ営業って面白くも思うんですけどね。