書くことは娯楽

内省持ち。何時も何か考えてます。会話でなく対話が好き、何時も誰かと対話していたい。内省と対話の結果、自分の中で出来た何かを言語化して残します。プロサラリーマン、プロ営業。バイクとビール好き。

パンダエクスプレス

パンダエクスプレスという、アメリカにある、ジャンクな中華料理のファストフードチェーンが好きだ。学生の時、初めてアメリカに行った際にたまたま入り、以来アメリカに行くたびに、必ず寄るようにしている。

ケースの中で出来上がっている、ちょっと日本人の思う中華料理とは違うアメリカ流の中華料理を、3つか4つ店員に詰めてもらうだけ。チャーハンとか唐揚げとか焼きそばとか、カロリーも腹持ちも満点な料理が基本。皿は紙皿で、ナイフとフォークはプラスチック。店内で食べる時も持ち帰りの場合も器は同じ。大抵の店員はけだるそうな感じで、サービスで気持ちいいと感じたことは一回もない。とはいえ、店員の対応で嫌な思いをしたことも無い。ここは客も店員も「そういう店」だとわかっているし、そういう気持ちのいいサービスを求めるなら、みんなもっと他所の店に行く。安くてお腹いっぱいになれるんだからそれでいい。まったく問題ない。

 

パンダエクスプレスの、あの殺風景でなんの色もない店内で、ジャンク過ぎるアメリカ中華を食べるのがたまらなく好きだ。ハッキリ言って、料理だけで見たら大して美味しくもない。最初に食べた学生時代はまだしも、多少なりとも、まともな中華を食べたことがある身からすれば、中華と言って良いのかわからない中華料理的なものでしかない。チャーハンはパラパラ過ぎるし、焼きそばの麺はボソボソ。オレンジソースの掛かった唐揚げは油まみれでクドすぎる。他の料理も大体そんな感じ。

でもアメリカに行き、あの決して奇麗とは言えないあの店の中で、紙皿とプラスチックのフォークで食べると美味しい。たまらなく美味しい。持ち帰って、快適な部屋で、奇麗な器に入れ替えて食べたら多分美味しくない。あの店で、不機嫌そうな店員の接客の下で注文するのがいい。自分も含めて、お互いそんなに金がなさそうな人達に囲まれるのがいい。ただただカロリーを補給するためだけに、一心不乱に掻き込むのがいい。だから美味しい。あの店の演出と共に食べて、食べてる間は自分もその演者の中の一人になれるから美味しい。だからパンダエクスプレスの中華は美味しい。

 

次何時行けるのかわからない。店を出るたび、毎回これがラストかもと思いながらも、アメリカに行く機会は回ってくるし、パンダエクスプレスも不機嫌な店員、色の無い店内、いまいちな中華の3コンボで、何時までも待ち構えてくれている。

 

また次が、どうかありますように。