書くことは娯楽

内省持ち。何時も何か考えてます。会話でなく対話が好き、何時も誰かと対話していたい。内省と対話の結果、自分の中で出来た何かを言語化して残します。プロサラリーマン、プロ営業。バイクとビール好き。

裏方ともてなしについて

 

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内容が内容なので詳しくは書けませんが、私の仕事の中の一つに、顧客の団体が主催するハンズオントレーニングのサポートというのがあり、先週末参加してきました。

 

色んなトレーニングのサポートはあるのですが、今回は我々が扱ってるジャンルの製品では日本最大規模のトレーニングで、扱う分野故、一切のおふざけや冗談が許されません。とても厳粛な状態で、3日間、早朝から夜遅くまで行われます。普段は競合関係にある他社の連中とも、牽制し合いながらも協力し、ともにサポートしあいます。

 

失敗が許されない分野でもあり、精神的、肉体的にも疲労が大きいのですが、反面やりがいもあります。この期間、我々以上に顧客の方が精神的、肉体的にも疲労が強く、我々を労ってくれる余裕がある方はあまりいません。でも我々の仕事はトレーニングに100%集中してもらう事ですので、我々を気遣う余裕があるなら、その余裕をもっとトレーニングに向けて頂きたいので寧ろ本望です。あくまでも裏方であり、黒子。とは言え、後日声を掛けてくれたり、後になって、「あの時のトレーニングに参加出来て良かった」とか言われると救われます。今回も2泊3日で何とかやりきって、ヘロヘロで最終の新幹線で帰ってきましたけど、体力が弱ってたせいか体調を崩してしまいました。でも頑張ってよかった、「あの時裏で俺たちが支えた」と思えるだけで満足です。それが一番のモチベーションになって次に備えれます。

 

仕事でそういう事を定期的にしてきているので、プライベートでもイベントに参加すると、そういう裏方の人の動きに、他の人より目が行きやすかったりします。先日もプライベートのコミュニティでイベントに参加してきたのですが、主催してくれた人には勿論ですが、それ以上に感謝し、感動したのが、飲み物や食事を提供し、もてなしてくれた人です。

 

自慢するでもなく、特別高価な材料でも無いとのことでしたが、ちゃんと吟味した材料を使ってるのは、料理をしない私でも流石にわかりました。見た目同じ料理が入ってる鍋が2つあって、「なんで?」と思い聞いたら、参加者の連れてきたお子さん用と、大人向けの味付けが合わない人がいるからとの事で、同じ料理でもレシピを態々作り分ける心使い。10人以上参加する会だから、量だって大量で大変だった筈。食事もこんな感じなのだから、この人がより力を入れてる珈琲も最高だったのは当然で、出すタイミングも自然なタイミングで出てきたし、気が付いたら2杯目がカップに入ってました。

 

ポイントポイントでは気が付くのです。食事が出てきて「ありがとう」、食べて美味しいで「ありがとう」、珈琲の匂いがしたら、持参したマイカップに注がれていて「ありがとう」、無くなったなと思ったらおかわりが入っていて、「ありがとう」って感じで。イベントに集中していたせいもあるのですが、こういうポイントでしかその時は気が付かないんですけど、終わってからの余韻に浸ってる時に、ようやくその一連の「もてなし」に気が付く。裏方でみんなが楽しく心地よく過ごせるよう、集中できるようとの心配りと、ホスピタリティ精神が溢れてました。最後にお礼を言ったつもりですけど、慌ただしくてちゃんと言えなかったのが少し心残りです。

 

イベントというか、人と何かをやる時って、あるレベルまでの満足で良ければ、要領と慣れさえあれば、比較的簡単に達せられます。毎度毎度やってる事なら、「まあこんなもんだろ」で、簡単に準備できます。中には突発的に行う事もあるだろうし、手間暇かけれない時もあるでしょうし、基本的にはそれでいいと思います。

 

食事も別に持ち寄りでいいのかもしれません。適当にサンドイッチでも買って、コンビニの100円珈琲でもよかったのかもしれない、それだって十分美味しいから。スタバで集まってイベントをやるのもいいでしょう、座り心地の良いソファもあるし、安くて美味しい飲み物と食べ物が直ぐに買えます。大事な話や勉強は幾らだってできるでしょうし、大筋の目的は達せられます。8割方、9割方達成できます。

 

でもそれが、ちゃんとそういう集まりの為に考えられた場所で、食事もその為に考えて念入りに準備されたもので、こだわりのある珈琲とカップが準備された場と比べたらどうでしょう。皆が満足するよう、時間も掛けて、気を使って準備して、本番でも参加者に気を使わせないように努力してくれているとしたら。8割、9割の満足度が、限りなく100%に近づくのって、そういう努力をしてくれてる人がいるからなんだと思います。

 

細かい努力や心遣いの結果、小さい満足を積み上げていく。小さい満足って全体の満足度の中で1%とかそんなもの。その1%を刻む、その1%は大変で苦労するんです、でもこの1%に凄い価値があると思います。それも、その努力を回りが気が付いてくれるかどうかなんてわからない、報われないかもしれない。それでもやってくれてるって感謝しかやっぱりでません。

 

先週初めのイベントで、こういう「もてなし」てをして頂け、当然学びも大きく、とても楽しい時間になりました。改めて裏方や、もてなしに対する考え方を意識しましたし、この体験後、先週の後半、冒頭の仕事のイベントに向かい、それを生かすことが出来ました。

 

自分も人に何かをする時は、こういう気持ちを忘れずにいたいと思います。

ちんぴら認定されてますけど。