書くことは娯楽

内省持ち。何時も何か考えてます。会話でなく対話が好き、何時も誰かと対話していたい。内省と対話の結果、自分の中で出来た何かを言語化して残します。プロサラリーマン、プロ営業。バイクとビール好き。

脱恐竜化

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コロナ禍で籠ってる間、新しいバイクを買っただけに飽き足らず、もう1台のバイクも結構な重整備に出した。別にコロナ騒動が本格的になる前に決めてはいたんだけど、いつも世話になってる店にお金を落としたいという気持ちが後押しもして、結構な散財をした。

 

「いつもありがとうございます。」

「いえいえ、こちらこそ。今しんどい時なのかもしれませんけど、これからも世話になりたいので、頑張ってくださいね。」

「本当にいつもありがとうございます、でも大丈夫なんですよ。」

 

というようなやり取りがあって、後日整備の打ち合わせで行った時、店に客がいっぱいいてびっくりした。よくよく聞くと、俺と同じような感じで、何時も以上に金を落とそうとする常連がいる事に加え、こんな状況下でも仕事に行かねばならず、かといって三密の電車に乗るのも避けたいということで、バイクで通勤しようと考える人が結構多いらしく、その需要で賑わっているらしい。

「だから大丈夫ですって、言ったじゃないですか。」って、笑われて、俺も嬉しくて笑った。

 

外に出て走り回るオートバイを売る店が、まさか外に出るなと言われてる時期に賑わうとは思いもしなかった。後々調べたら、自動車やバイクが結構売れるかもと予想してる人はそれなりにはいたけど、少なくとも俺は思わなかった。在宅のリモートワーク用にIT関係の機器が売れたり、ネット会議のアプリを出してる会社の株式が高騰してるとかはよく話題に上がっていたけど、こうやって一見気がつきにくい、この事態だからこそ盛り上がる業界、会社というのも、他にも沢山あるんだろう。

 

未来は予想できない。コロナ禍自体がそもそも予想なんてしていなかったけど、「出来るだけ移動しない世の中はどうなるか」という、人間が起こす状況ですら読めない。未来を予想する事は無駄ではないけど、たいてい想定外の方向に進んでいく。そして今回の事では、自分たちが当たり前すぎて疑いもしなかったレベルの前提も、思いの外脆いということがわかった。

 

ただ悪いことばかりではなくて、籠るなら籠るで、無駄に誰も彼もが出社しなくていいリモートワークが急速に普及したし、ネット通販だって、今までだったら自分でスーパーに買いに行ってた物まで気軽に頼めるようになってきたし、ネット越しの飲み会まで流行り始めて、久しく会ってない人に逆に会えるようにもなってきた。変わる以上、良い悪いは表裏一体で、個々の出来事をどうとるかの話だと思う。

 

予測できない状況に合わせて、変わっていかないといけない。変わるのを放棄するのもも自由だけど、それをわかってて放棄するのではなく、世の中が変わり切っていて、後で自分だけが取り残されてたと気が付くような事態だけは避けたい。業界や会社レベルの大きい話ではなく、今自分の付いてる仕事であってもそう。

 

ウチの業界の基本は、「面談し提案、実機をデモンストレーション、実戦にてデモンストレーション、代理店経由で販売」の流れで進めていくのが基本で、今までは実際に訪問する事が必須だと思われていた。ただこの状況下では訪問も出来ず、会社からも外に出るな、先方からも来るなとの指示がある以上「今までの常識だと」何もできない。

ただ、そこで諦めて思考停止、ボーっと毎日家に籠ってる人と、何とか工夫して、やれ電話だ、やれメールだ、やれ横の繋がりだで、必死にもがく奴との間で差がつき始めている。面白いのが、今まで優秀な成績を収めていた奴全員が、そういう形で変化を受け入れているというわけではない事。反対に今まで振るわなかった奴の中には、変化に対応しようとしている奴だっている。

 

変化できるかできないかは、今までの実績にはよらない、関係ない。今迄は今迄でリセットされる。そしてそのリセット後の変化に対応できない人は、新しい変化後生き残れないかもしれない。そして変化に強い人にとっては、今までの状況と比べてチャンスかもしれない。

 

ぼーっとそんな風に振り返って考えてたら、何となく絶滅した恐竜を思い出した。

まだ恐竜にはなりたくないわ。