書くことは娯楽

内省持ち。何時も何か考えてます。会話でなく対話が好き、何時も誰かと対話していたい。内省と対話の結果、自分の中で出来た何かを言語化して残します。プロサラリーマン、プロ営業。バイクとビール好き。

感謝

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Aさん、私はあなたに感謝します。

 

7年前に入社した際、あなたは直属の上司でしたが、私は随分いじめられましたね。わざと間違った待ち合わせ場所を教えられ、取引先の社員多数の面前で罵倒されたこと、入社以来一週間、毎日辞めろと詰め寄られたこと。むちゃくちゃなノルマを上積みさせられ、それがクリアできないと、1時間近く電話で謝り続けさせられたこともありましたね。心配した周りの方々がフォローしてくれましたが、同時に、あなたが私も含めて何人もの人を、パワハラで追い込んで辞めさせたというのも聞き、更にショックを受けました。いよいよ追い詰められ、逃げようと思いましたが、寧ろあなたを見返そうと、猛烈に意欲が湧き上がってもきました。

 

入社3年目で初めてノルマをクリアしました。あなたの部下で、あなたのチームの数字に貢献しました。あなたは一言も感謝の言葉をかけてはくれませんでしたが、私は誇らしい気持ちでいっぱいでした。4年目、5年目も連続でノルマをクリア。寧ろあなたのチームで、あなただけがクリアできず、チーム全体としてノルマが達成できないことが続きましたね。このころから、私には何も言わなくなったのを覚えていますか?同時に、部門長から個別にあなたが色々指摘されている噂も耳にし始めました。6年目、7年目はあなたの下を離れましたが、私は更に大きく成長し、昨年は営業成績総合1位で終えました。表彰式後のパーティで、あなたが伏し目がちに、小さな声で「おめでとう」と仰ったの、私は聞こえない振りをしました。あなたからの「おめでとう」は受けたくなかったのです。あなたに私の労を労う資格はないと思っていたので。

 

今年私は昇進し、あなたはここ数年の成績不振から降格され、社内ポジションが同じになりました。ずっとパワハラをしてきたツケか、あなたを憐れむ人はいませんね。陰でバカにされていることを、御自分でも気が付いているから、皆で食事に行くときも一人来ないのでしょう。

 

Aさん、私はあなたに感謝します。

 

あなたを恨んではいませんが、許したわけでもありません。でも、今の私の成功があるのは、間違いなくあなたがいたからとも思います。それを認めて、ここであなたに感謝できる人間でないと、私は人として成長できない気がするのです。あなたの存在は、理不尽な程厳しく、辛く、恐れの象徴のように思いますが、何時までもあなたの事を意識しながら、仕事をしていくような気がします。

 

願わくば、いつか2人で飲みに行きましょう。その日まで互いに頑張りましょう。グラスを傾ける際、ここまで成長できたきっかけになったと、心から感謝したいです。その時、全てにおいて私には叶わないと褒めてください。その日が来るのを楽しみにしています。