書くことは娯楽

内省持ち。何時も何か考えてます。会話でなく対話が好き、何時も誰かと対話していたい。内省と対話の結果、自分の中で出来た何かを言語化して残します。プロサラリーマン、プロ営業。バイクとビール好き。

総選挙と本棚

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中途半端に本を読む人(「読書家」という言葉を使うのは本当に本を読む人に対して失礼なので使いません)でして、月に大体7,8冊読みます。私は自分の興味がある事や、コンプレックス、足らない所を埋めるために本を読みます。つまりどんな本を読んでいるか他人にバレるという事は、「そこに興味がありますよ~、そこが足らない馬鹿なんですよ~、コンプレックスなんです~、お馬さんパカパカ~」って形になってバレてしまうという事です。

 

すまし顔、したり顔でカッコつけても、持ってる本を見られたら一発でバレるという事。これは大変由々しき事態なわけで、私からしたら、電車の中でドヤ顔で見せびらかしながら本読む人ってちょっと凄いと思う。本気で本読んでる姿なんか、人には絶対に見られたく無い。

 

ましてや、その読んだ本が多数収められてる本棚を見られるという事は、万死に値するという事になります。この本とあの本を読むという事は、じゃああの方面も興味があったり、コンプレックスなんだなと、本の組み合わせ、繋がりでもう一つ役が乗って跳満レベルでバレてしまうという事。一冊ならごまかせるものも、集団になるとごまかせない。

 

本棚はその人を表わしている。

 

見られたら頭の中を覗かれるという事で、これは裸見せるより恥ずかしい事だと思ってしまう。マッパで外で歩くのとどっちが恥ずかしいって言われたら、多分本棚見られる方が僅差で勝つ、じゃあ本当にやれって言われたら本棚見せる方を選ぶとは思うけど。

 

こんな私の本棚ですが、キリがないので数年前に絞って一つ。別に高い奴じゃなく、ニトリの安っすい奴で、こいつには約300冊ぐらいしか入りません。で、年に2回ほど、この本棚を整理をするのです。

 

自分の人生の中の300冊の一員に加われるかそうで無いか。AKB48ばりに一人総選挙みたいなのを年2回程やります。書斎の床に本を丁寧に、でも「ばら撒く」。この「ばら撒く」というのが大事で、整理して置いちゃうと後で拾い上げる時にまた違った結果になってしまう。適度に散らしてぐっちゃぐちゃにして撒くのがいいんです、総選挙の前では、愛しき本達は全て平等。

で、一冊拾っては、「ああ、ここがいいよな」とか、「あー、こんな事書いてあったっけ?」とかやるんですけど、もうこれが自分の中で物凄く盛り上がる、こんなもん盛り上がらないわけがない、一人でにやにやしながらやるのです。しかも1日では終わんなくて、大体一週間ほど時間掛けて本棚に戻していく。傍から見たらどういう風に見えるのかわからないけど、他所の人に見せたらダメな光景なのはわかってる。

 

新しく300冊チームに入る本は殆どなくて、一回の整理で3冊入るか入らないか。けど面白いのは、300冊の中で順位はちょこちょこ変わるんです。もうちょい具体的に言うと、1位から15位ぐらいは不動のドリームチーム、黄金聖闘士な本。まあここはそうそう変わらない、此処に食い込んできたらよっぽど。で、下位30冊ぐらいもこれまたほぼ変わらない。半年に一回の総選挙、新しく入る3冊は大体ここに潜り込む。変わるのは300冊レギュラーの真ん中あたり、20位ぐらいから280位ぐらいの間なんです。200位ぐらいの本が、150位とかにジャンプアップしたり、30位のそれなりの出来る奴が、100位とかに暴落したりする。

 

小飼弾さん・岡田斗司夫さんの「未来改造のススメ」はやっぱ面白いから、20位ほどランク上がって60位だなってなったり、伊集院光さんの「のはなし」シリーズは新刊出ないのが腹立つから(連載終わってるので)30位降格で140位とか。その横で4歳の時、擦り切れほど読んだ名著「しょうぼうじどうしゃじぷた」(絵本)も毎回上がりそうで上がらなく、30位ぐらいがレギュラーになってたり。

 

一人総選挙が終わるとぐったりしてしまうけど、心地よい疲労感と言うか、書斎の中がまったりとした空気になります。並び方もバラバラのように見えて、何となく自分の中では順序が立ってるような気がしてます。1位から300位まで一つの曲みたいな感じに思える時もあるぐらい。この半年はこの流れなのかな~って思うんです。本棚崩す前、改めて一覧を眺めてみて、半年前に作った流れはこんなんやったんやなってのも思ったりする。本棚を見ながら、半年の答え合わせみたいなのをやるんです。

 

全部自分の考えの血肉になってる本だけど、その時によって重要度というか自分の中での位置づけが変わったりするのが面白いなと。それが現実に目の前にあって、見せてくれるのが本棚。この本達が、今の馬鹿なりにも、税金を納めれる立場の自分を作って来たという自信になります。自分の後ろにはこの本達を読んできたという自信があるんです、なんかあったらこいつらに再登場してもらって、自分を鍛え直してもらったらいいっていう安心感の砦が本棚なんだなって思います。

 

本棚って素晴らしいわ!